4月総会
- 日時:4月18日(日)14:00〜17:00
- 場所:Zoom
- 発表者:Nさん(早稲田大学M1)
- タイトル:交通渋滞の応用数学
- 内容:多数の車の運動を表す微分方程式として最適速度モデルというものがある。この微分方程式の(数値)解をシミュレーションで観察すると、ある初期条件下では局所的に車間距離の小さいクラスタが発生する様子がわかる。つまり最適速度モデルは、渋滞を表現する力を持つ交通流モデルだと言える。
この発表では、最適速度モデルの渋滞を2つの観点から論じる。1つ目の観点は「渋滞が発生する条件」である。数値実験の力を借りつつ交通流に熱力学的解釈を与えると、渋滞は気相と液相の気液平衡だと解釈できる。このとき、気液平衡が起こる条件と渋滞が発生する条件が対応する。2つ目の観点は「渋滞の形状」である。OVモデルに条件を付けることで解ける微分方程式に近似して、ソリトン・衝撃波・キンク波と呼ばれる解を求めて渋滞の形状を調べる。
新入生が聞きやすいように前提知識は仮定せず、細かい議論を削ったカジュアルな数学として発表を進める。なお、解けない微分方程式の面白さは、解ける特殊な場合が多く潜んでいることと、数値実験を最大限に活用することにある。これらを意識して聞いてもらえれば幸いである。
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